AIエージェントとは?生成AIとの違いから自社で活用する方法まで徹底解説

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德岡 萌

B!

 生成AIの次の活用法として注目される「AIエージェント」
名前は聞いたことがあっても、「生成AIと何が違うのか」「自社ではどのような業務に使えるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

AIエージェントは、指示された内容に回答するだけでなく、目的に応じて必要な情報を集め、判断し、複数の作業を進められる点が特徴です。

本記事では、生成AI・RPAとの違いや仕組み、業務での活用例をわかりやすく解説します。さらに、「自社ではどの業務に使えるのか」を判断するための3つのステップや、導入前に押さえておきたい注意点も紹介します。


目次

1. AIエージェントとは?

与えられた目的に応じて必要な行動を選択し、複数の作業を進めるAI
「エージェント(Agent)」とは、「代理人」や「代行者」を意味する言葉です。その名のとおり、AIエージェントは人間に代わって目的を達成するために、必要な情報を集め、判断し、作業を進めるAIを指します。
 例えば営業業務であれば、「商談の準備をする」という目的に対して、顧客企業の情報を調べ、必要な情報を整理し、商談資料のドラフトを作成するといった複数の作業を進めます。 与えられた目的に応じて次に必要な作業を考え、情報収集や判断を行いながら複数の工程を進められる点が大きな特徴です。

2. 生成AI・RPAとの違いは「誰が次の行動を決めるか」

AIエージェントを理解するうえで、よく混同されやすい生成AIやRPAなどの自動化ツールとの違いを押さえておきましょう。3つの技術には重なる部分もありますが、「誰が次の行動を決めるのか」という視点で考えると違いを整理しやすくなります。

項目 生成AI RPAなどの自動化ツール AIエージェント
主な役割 質問への回答・文章作成 定型業務の自動化 目的達成に必要な業務を進める
人との関わり方 人が都度指示する 人がルールを設定する AIが状況に応じて行動を選択する
判断方法 指示に沿って回答する 決められたルールどおり実行する 状況に応じて判断する
連携範囲 主に対話やコンテンツ生成 あらかじめ設定されたシステムを操作 複数の外部ツールと連携

生成AI:「答える」
生成AIは、人からの指示に応じて、文章や画像、プログラムコードなどを生成する技術です。
人が「何をしてほしいか」を指示し、その指示に対する回答や成果物を生成します。基本的には対話形式で利用し、次に何をするかは人が判断します。

RPAなどの自動化ツール:「決められた手順を実行する」
RPAなどの自動化ツールは、あらかじめ設定したルールや手順に沿って業務を自動化する仕組みです。
 例えば、「ファイルを開く」「データを転記する」「システムへ登録する」といった、手順が明確な定型業務に適しています。一方で、決められたルールどおりに動作するため、状況に応じて処理内容を変更することは得意ではありません。

AIエージェント:「状況を判断して次の行動を選ぶ」
AIエージェントは、目的や現在の状況を踏まえながら、目的達成に向けて次に取るべき行動を判断し、業務を進めます。また、CRMや社内データベース、Web検索などの外部ツールと連携しながら必要な情報を収集し、状況に応じて最適な対応を選択できる点も特徴です。

3.AIエージェントの仕組み

AIエージェントは、一般的に「目的を理解する→情報を集める→判断する→実行する」という流れで動作します。
ここでは「問い合わせ対応」を例に見てみましょう。

STEP1.目的を理解し、進め方を考える
まず、問い合わせ内容からユーザーの目的を把握し、回答するために必要な作業を整理します。

STEP2.必要な情報を集める
次に、回答に必要な情報を社内の情報源やシステムから収集します。例えば、次のような情報です。
・CRM:顧客情報、契約内容、過去の問い合わせ履歴
・FAQ・社内ナレッジ:マニュアル、対応ルール
・社内システム:注文状況、在庫状況、障害情報

STEP3.次に取るべき行動を判断する
収集した情報をもとに最適な対応を判断します。FAQで対応できる場合は回答し、難しい場合は担当者へ引き継ぎます。

STEP4.実行する
最後に、判断した内容に基づいて作業を実行します。回答の送信やCRMへの対応履歴の登録、担当者への引き継ぎを行います。
ただし、AIエージェントがすべてを人間に代わって判断するわけではありません。重要な問い合わせや判断を伴う業務では、最終的に担当者が内容を確認・承認してから実行する仕組みが必要です。

4. なぜ今、AIエージェントが注目されている?

AIエージェントが注目される背景には、AIの推論能力の向上と、業務で利用するシステムとの連携が進んだことがあります。
AIが「推論」できるようになった
近年は、AIが複数の情報をもとに状況を整理し、目的に応じて必要な作業を組み立てる能力が高まっています。
例えば、集めた情報だけでは不十分だと判断した場合には、追加で情報を調べるなど、次の行動を選択できます。 こうした推論能力が、状況に応じて仕事を進めるAIエージェントの基盤になっています。

業務システムと連携しやすくなった
AIが状況を判断できても、文章を生成するだけでは業務は完結しません。
実際の業務では、必要な情報を取得したり、システムを操作したりするために、さまざまな業務システムや外部ツールとの連携が必要です。
近年は、AIがこうした外部ツールを利用しながら処理を進められる仕組みが普及し、情報収集だけでなく、メールの作成やデータ登録などの業務まで支援できるようになっています。

AIエージェントは、AIの「考える力」と、外部ツールの「情報を取得・操作する機能」を組み合わせることで、複数の業務を一連の流れで支援できるようになっています。

5. AIエージェントで業務はどう変わる?

AIエージェントは、特定の職種だけでなく、さまざまな業務で活用できます。
特に相性がよいのは、情報を集め、内容を判断し、その結果に応じて次の作業へ進む業務です。ここでは代表的な活用例を紹介します。

活用業務 期待できる効果 AIエージェントが行うこと 向いている理由
問い合わせ対応 対応の効率化、品質の均一化 問い合わせ内容の理解、FAQ・社内ナレッジの検索、顧客情報の確認、回答案の作成、必要に応じた担当者への引き継ぎ カスタマーサポートや社内ヘルプデスクは対応手順が標準化されており、定型的な問い合わせも多いため
バックオフィス
(経理・総務・人事)
申請・承認にかかる手作業の削減、事務処理の効率化 申請内容の確認、社内ルールとの照合、不備の確認、承認依頼、システムへの登録 申請・承認などの業務フローが標準化されており、判断基準も比較的明確なため
ソフトウェア開発 開発工程の効率化、開発サイクルの短縮 要件整理、コード生成、テストの実行、エラーの分析・修正、テスト結果に応じた次の作業の選択 設計・実装・テスト・修正など、複数の工程が連携して進むため
営業 商談準備や商談後の記録にかかる作業の効率化 見込み顧客・業界の情報収集、商談資料の作成、議事録から重要事項を抽出、CRMへの登録 情報収集から資料作成、記録・入力まで複数の作業が連続して発生するため

 

【当社事例】商談準備を約3分の1に

当社では、「初回商談準備エージェント」を活用することで、営業担当者の商談準備にかかる時間を従来の約3分の1まで短縮しました。従来は、営業担当者が企業情報の検索、業界動向の確認、商談資料やアポイントメールの作成を、それぞれ手作業で行っていました。
現在は、 企業・業界調査 → 情報整理 → 資料ドラフト → メールドラフト → 営業担当者が確認
という流れで、情報収集から資料・メールのドラフト作成までをAIエージェントが支援しています。

これにより、営業担当者は情報を集める作業に時間を使うのではなく、「この企業に何を提案するか」など、商談戦略の検討に集中できるようになりました。

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まだ具体的な活用業務が決まっていない方は、次章でAIエージェントと相性のよい業務を見つける方法を3つのステップで紹介します。

6.自社では何を任せる?業務を選ぶ3つのステップ

AIエージェントを導入するときに、「AIエージェントで何ができるか」から考えると、自社の業務にどう活用すればよいか迷ってしまうことがあります。
まずは自社の業務を洗い出し、AIエージェントとの相性がよい業務を見つけることが重要です。 ここでは、3つのステップで候補を整理する方法を紹介します。

STEP1:職種ごとに業務を洗い出す

最初に、営業、マーケティング、人事、経理、カスタマーサポートなど、職種ごとの業務を洗い出します。
日常的に発生している業務を、できるだけ具体的な作業単位で整理することがポイントです。
例えば営業であれば、「商談準備」「提案資料の作成」「商談内容の記録」「フォローメールの作成」などが挙げられます。「営業活動」のように大きな単位で整理するのではなく、実際の作業まで分解することがポイントです。

STEP2:業務の流れを書き出す

次に、洗い出した業務がどのような流れで進んでいるかを書き出します。
例えば商談準備であれば、 企業調査 → 業界調査 → 商談資料作成 → アポイントメール作成 というように、一連の作業を整理します。
業務の流れを可視化することで、どの工程をAIエージェントがまとめて実行できそうかを判断しやすくなります。 あわせて、人が確認・判断する工程も整理しておくと、AIと人の役割分担を設計しやすくなります。

STEP3:「複数工程」「決まった流れ」「処理頻度」で評価

洗い出した業務を、AIエージェントとの相性という観点から評価します。特に確認したいのは、以下の3点です。

①「複数工程」: 調査、判断、作成、入力など複数の作業が連続しているか
②「決まった流れ」: 毎回おおむね同じ手順で仕事を進めているか
③「処理頻度」: 同じ業務が繰り返し発生しているか

それぞれを3段階で評価し、3つの評価点を掛け合わせて比較することで、AIエージェント化に適した業務を判断します。例えば商談準備は、情報収集や資料作成など複数の工程で構成され、毎回ほぼ同じ流れで進みます。また、商談のたびに繰り返し発生する業務です。
そのため「複数工程:3点」×「流れが決まっている:3点」×「処理頻度:2点」合計18点となり、AIエージェント化による効果が期待できる業務と考えられます。

このように業務を整理・評価することで、自社でどの業務からAIエージェントを活用すると効果が高いかを客観的に判断しやすくなります。  
ただし、スコアが高い業務でも、契約・支払い・外部への情報送信など、ミスした場合の影響が大きい工程はAIだけに任せず、人の確認を残す必要があります。 具体的な注意点は次章で解説します。


AIエージェントを実際の業務で活躍させるために必要な「業務整理・設計」のポイントを紹介しています。

7. AIエージェントに任せる前に知っておきたいこと

AIエージェントは幅広い業務を支援できますが、すべての仕事に適しているわけではありません。  業務の内容やリスクに応じて、AIに任せる範囲と、人が判断・確認する範囲を分ける必要があります。

任せないほうがよい業務

単純なルールで自動化できる仕事
処理手順が決まっている業務は、AIエージェントよりもRPAやワークフロー機能のほうが適しています。
例えば、決まったフォルダ間でファイルを移動したり、定型データを転記したりする作業は、より低コストで安定した自動化が可能です。

ミスした場合の影響が大きい仕事
AIエージェントは誤った判断をする可能性があるため、高額な支払いや契約締結など、一度のミスが大きな損失につながる業務を完全に任せるのは適していません。
こうした業務では、AIは情報整理や下書きまで担当し、最終判断は人が行う運用が望まれます。

・判断基準が定まっていない仕事
担当者によって判断が大きく異なる業務は、AIに任せる前にルールを整理する必要があります。
業務プロセスが標準化されていない場合は、AI導入よりも先に判断基準を明確にすることが重要です。

安全に使うためのポイント

・重要な工程では人が確認する
AIエージェントは、回答だけでなく、その結果をもとに次の処理まで進める場合があります。
そのため、契約や支払い、顧客情報の更新など、誤りが大きな影響につながる業務では、人が内容を確認・承認してから次の処理へ進む仕組みを設けることが重要です。

・必要最小限の権限だけを与える
AIエージェントが社内システムを操作する場合は、業務に必要な範囲だけ権限を付与します。
必要以上の権限を持たせると、誤操作や情報漏えいが発生した際の影響が大きくなるため、最小権限の原則で運用することが重要です。

・操作履歴を残し、後から確認できるようにする
AIエージェントが業務を実行した内容は、操作ログとして保存し、後から確認できるようにしておきましょう。
問題が発生した際に原因を特定しやすくなるだけでなく、運用方法の見直しや改善にも役立ちます。

8. まとめ

AIエージェントは、目的に応じて必要な情報を集め、状況を判断しながら、複数の作業を進める仕組みです。

AIエージェントを業務で活用するには、まず自社の業務を整理し、どの業務をAIに任せるのかを見極めることが重要です。

例えば、「AIエージェントが適しているのか、RPAで十分なのか」「どこまでAIに任せ、どこから人が確認・判断するのか」といった観点から、現在の業務フローや判断基準を整理していきます。

こうした整理を行うことで、単にAIエージェントを導入するのではなく、自社の業務に合った活用方法を検討しやすくなります。

一方、実際に進めようとすると、業務の洗い出しや判断基準の整理など、AIエージェントを構築する前の段階で迷うことも少なくありません。

当社では、長年のシステム開発で培ってきた業務理解・設計のノウハウを生かし、AIエージェントを活用する業務の整理から設計・構築まで一貫して支援しています。

自社のどの業務にAIを活用できるのか、どのような支援を受けられるのか知りたい方は、当社のAI活用支援についてまとめたサービス資料をご覧ください。

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