【プロンプト付き】生成AIを活用した手順書作成の進め方 手順がバラバラな職場を変える業務標準化術
担当者ごとに仕事の進め方が異なり、「誰の...
德岡 萌
生成AIとは一言でいうと、「人の指示をもとにコンテンツを作り出すAI」です。
従来のAIが「分析や予測、認識」を得意としていたのに対し、生成AIは文章や画像などのコンテンツを生成できることが大きな特徴です。近年、生成AIは身近な存在となりつつあり、文章作成や情報整理など、日常生活からビジネスまで幅広い場面で活用が広がっています。
本記事では、「生成AIとは何か」という基本から、仕組みや種類、企業での活用例、メリット、利用時の注意点までわかりやすく解説します。
人の指示をもとにコンテンツを作り出すAI
生成AI(Generative AI)は、文章や画像、動画、音声、プログラムコードなど、さまざまなコンテンツを生成できるAIです。利用者が「プロンプト」と呼ばれる指示を入力すると、その内容に応じて回答やコンテンツを生成します。
例えば、「新商品の紹介メールを作成してください」と入力すると、目的や相手に合わせたメール文のたたき台を提案してくれます。そのほかにも、長い文章の要約やアイデア出し、資料の構成案の作成など、幅広い作業に活用できます。
一方、従来のAIは、迷惑メールの判定や売上予測、顔認証などのように、データの分析や予測、認識を得意としていました。生成AIは、こうした分析だけでなく、人の指示に応じて文章や画像などのコンテンツを生成できることが大きな特徴です。
生成AIは、人が文章を書くように考えているわけではありません。
大量のデータから言葉や画像のパターンを学習し、その知識をもとに最適な結果を予測して生成しています。
1. 大量のデータからパターンを学習する
生成AIは、書籍やWebサイト、画像、プログラムコードなどの大量のデータを学習し、言葉や画像の使われ方や特徴、関連性を身につけます。
2. 利用者が指示を入力する
利用者は「プロンプト」と呼ばれる指示文を入力します。
例えば、 「会議のお礼メールを書いて」 「猫が海辺で遊ぶイラストを作って」 といった指示を入力します。
3. AIが次に続く内容を予測する
AIは学習したデータをもとに、「次にどの単語が続く可能性が高いか」「どのような画像が指示に合っているか」を確率的に予測します。この予測を高速で繰り返すことで、人が作成したような自然な文章や画像を生成できます。
4.入力内容をもとにコンテンツを生成する
最後に、AIが予測結果を組み合わせ、文章・画像・動画・コードなどを生成します。 入力内容が具体的であるほど、利用者の意図に近い成果物が生成されやすくなります。
生成AIにはさまざまな種類があり、生成するコンテンツによって得意分野が異なります。
| 分野 | できること | 活用例 |
| 文章生成AI | 文章の作成・要約・校正 | メール作成、議事録、企画書、報告書、翻訳 |
| 画像生成AI | イラストや画像を生成・編集 | バナー、広告素材、ロゴ、プレゼン資料 |
| コード生成AI | プログラム作成・修正・解説 | プログラミング支援、SQL作成、コードレビュー |
| 音声・音楽生成AI | 音声や音楽を生成・変換 | ナレーション、BGM制作 |
| 動画生成AI | テキストや画像から動画を生成 | 商品紹介動画、SNS動画、研修動 |
また、近年では「マルチモーダルAI」も広く活用されています。マルチモーダルAIとは、文章だけでなく、画像・音声・動画など、複数の種類の情報を組み合わせて理解・処理できるAIです。例えば、画像を読み取って内容を説明したり、PDFの文章や図表をもとに情報を整理したりすることができます。
生成AIの中には、こうしたマルチモーダル機能を備えたものもあり、一つのAIでさまざまな形式の情報を扱えるようになっています。代表的なサービスとして、ChatGPTやGeminiなどがあります。
現在、さまざまな生成AIサービスが提供されています。
サービスによって得意分野や連携できるツールが異なるため、自社の業務や利用環境に合ったものを選ぶことが重要です。企業で生成AIを利用する場合は、一般向けの無料版だけでなく、法人向けプラン(Enterprise・Business・Teamなど)も選択肢となります。
法人向けプランでは、管理機能やセキュリティ機能、データの取り扱いに配慮した企業向けの機能が提供されることが多く、安全かつ組織的に運用しやすい点が特徴です。代表的なサービスには、次のようなものがあります。
| サービス | 主な活用領域 |
| ChatGPT Enterprise / Team | 文書作成、企画・アイデア出し、情報整理・分析、プログラミング支援 |
| Microsoft Copilot | Microsoft 365(Word、Excel、PowerPointなど)を活用した業務支援 |
| Google Gemini for Workspace | Google Workspace(Gmail、Docsなど)と連携した文書作成・情報整理 |
| Claude for Enterprise | 長文の読解・要約、文章作成、情報整理、ナレッジ活用 |
| Canva AI | デザイン制作、画像生成、プレゼン資料作成 |
生成AIは、文章作成や情報整理、アイデア出しなど、さまざまな業務で活用されています。
ここでは、企業における代表的な活用例を部門・業務別に紹介します。
・バックオフィス|日常的な文書業務をサポート
総務や人事、経理などでは、議事録や社内文書、マニュアルの作成・更新、情報整理などに活用できます。
例えば、会議の内容を要約して議事録を作成したり、日常的に発生する文書業務をサポートします。
・営業|商談の準備からフォローまでサポート
提案資料の構成作成、商談内容の要約、フォローメールの作成などに活用できます。
例えば、商談メモから要点や次のアクションを整理したり、顧客ごとの提案メールや提案書の構成案を作成したりできます。
・マーケティング|企画からコンテンツ制作までサポート
企画のアイデア出しやブログ記事、SNS投稿、広告コピーなどの作成に活用できます。
例えば、テーマやターゲットを伝えて複数の企画案や文章案を出してもらうことができます。
・システム開発|開発作業を幅広くサポート
システム開発では、コードの作成・修正、エラーの原因調査、仕様の整理などに活用できます。
例えば、実装したい内容を指示してコードを作成したり、エラーの原因や修正方法の確認ができます。
・カスタマーサポート|問い合わせ対応をサポート
問い合わせへの回答案やFAQの作成、対応履歴の要約などに活用できます。
例えば、問い合わせ内容をもとに回答文を作成したり、過去の問い合わせからFAQの候補の整理ができます。
・生産性向上・業務効率化につながる
文章作成や情報整理、メールや資料の下書き、議事録の要約など、時間のかかる定型業務を効率化できます。
その結果、これまで多くの時間を要していた業務を短時間で進められるようになり、業務全体の生産性向上が期待できます。
・アイデア創出や業務品質の向上につながる
企画のアイデア出しや文章のブラッシュアップ、情報整理などを支援することで、多様な視点を取り入れながら成果物の品質向上につなげられます。
・業務品質を標準化できる
生成AIが知識や経験を補完することで、経験の少ない業務でも一定水準の成果物を作成しやすくなります。
また、分からないことをすぐに質問・整理できるため、経験やスキルによる業務品質のばらつきを抑えられます。
生成AIを活用することで、業務の効率化と品質向上を図りながら、より付加価値の高い業務に集中することで、一人ひとりの生産性が高まり、組織全体の生産性向上にもつながります。
生成AIは業務効率化に役立つ一方で、使い方を誤ると情報漏えいや誤情報の利用につながる可能性があります。
企業で活用する際は、次のポイントを押さえておきましょう。
・AIの回答を鵜呑みにしない
生成AIは、もっともらしい文章を作成できますが、事実と異なる情報を出力することがあります(ハルシネーション)。特に、数値データや法律・制度、専門的な内容などは誤りが含まれる可能性があるため、公開前や業務で利用する前に、公式サイトや一次情報で内容を確認しましょう。
・個人情報や機密情報の入力に注意する
生成AIに入力した情報は、利用するサービスや契約内容によって取り扱いが異なります。
顧客情報や機密情報、公開前の情報などは、社内ルールや利用規約を確認したうえで入力することが重要です。
入力する情報の判断に迷った場合は、次の表を参考にしてください。
| 判定 | 入力する情報の例 | ポイント |
| 🟢 比較的入力しやすい情報 | ・一般公開されている情報 ・自分で作成した機密性のない文章 ・架空のサンプルデータ ・公開済みの商品情報 ・個人や企業を特定できない情報 |
基本的には利用しやすい情報ですが、利用する生成AIの利用規約や社内ルールは事前に確認しましょう。 |
| 🟡 条件を確認してから入力する情報 | ・社内資料 ・業務データ ・顧客に関係する情報 ・契約に関係する情報 ・公開前の業務情報 |
利用する生成AIの契約内容やデータ利用設定、社内規程などを確認したうえで判断しましょう。 |
| 🔴 原則として入力を避ける情報 | ・パスワード ・APIキーなどの認証情報 ・クレジットカード情報 ・許可されていない個人情報 ・営業秘密 ・未公開の重要情報 ・秘密保持契約(NDA)の対象となる情報 |
情報漏えいやセキュリティ事故につながる可能性があります。判断に迷う場合は入力せず、情報管理担当者や社内ルールを確認しましょう。 |
例えば、社内メールの文章を作成したい場合は、顧客名や担当者名をそのまま入力するのではなく、「A社」「Bさん」のように匿名化して利用すると、情報漏えいのリスクを抑えながら活用できます。
・著作権や知的財産権に配慮する
生成AIで作成した文章や画像を公開・商用利用する際は、著作権や利用規約を確認することが大切です。
既存の作品やキャラクターに酷似したコンテンツを利用すると、権利侵害につながる可能性があるため注意しましょう。
・社内ルール・ガイドラインを守る
企業によって、利用できる生成AIや入力できる情報、利用目的などのルールは異なります。安全に活用するためにも、社内のガイドラインやセキュリティポリシーを確認し、ルールに沿って利用しましょう。
生成AIを安全に活用するためには、「正しい情報かを確認すること」と「入力する情報を適切に管理すること」が重要です。 社内ルールやガイドラインを整備し、人が最終確認を行う運用を徹底することで、生成AIを安心して業務に活用できます。
1. AIに任せる業務を決める
最初は、メール作成や議事録の要約、情報整理など、繰り返し発生する業務で試してみましょう。まずは身近な業務から取り入れることで、生成AIの使い方や効果を実感しやすくなります。
2. 簡単なプロンプトから始める
最初から複雑な指示を書く必要はありません。「○○について要約してください」「このメールを丁寧な表現にしてください」のように、 目的を具体的に伝えるだけでも十分です。慣れてきたら、条件や文字数なども追加してみましょう。生成AIは、指示(プロンプト)の出し方によって回答の質が変わります。まずは簡単な指示から始め、少しずつ伝え方を工夫していくことで、より業務で活用しやすくなります。
3. AIの回答を確認・修正して使う
生成AIの回答をそのまま利用するのではなく、内容を確認し、必要に応じて修正してから活用しましょう。
人が最終確認を行うことで、安心して業務に取り入れられます。 生成AIをすべて任せる相手ではなく、「一緒に作業するパートナー」として活用することで、より効果的に業務へ取り入れられます。
生成AIは今後、技術の進化によって、より幅広い業務で活用されるようになると考えられます。
企業における生成AIの活用もさらに進み、仕事の進め方にも変化をもたらしていくでしょう。
・生成AIの高度化がさらに進む
生成AIは今後、利用者の意図や文脈をより的確に理解し、複雑な指示にも対応できるようになると考えられています。また、文章だけでなく画像や音声など、さまざまな情報を扱う技術も進化し、より高度な処理が可能になるでしょう。
・生成AIの活用が一部の業務から組織全体へ広がる
これまで生成AIは、文章作成や情報整理など、個人の業務を支援するツールとして活用されていました。今後は、社内データとの連携や業務プロセスへの組み込みなど、企業が仕組みとして生成AIを導入し、組織的に活用する動きが広がると考えられます。
・人とAIが協力する働き方が一般的になる
生成AIは人の仕事を完全に置き換えるのではなく、定型業務や情報整理を支援することで、人は企画や判断、コミュニケーションなど、より付加価値の高い業務に集中できるようになると期待されています。
Q. ChatGPTと生成AIは同じですか?
ChatGPTは生成AIを活用したサービスの一つです。生成AIという大きなカテゴリーの中に、ChatGPTやGemini、Claudeなどのサービスがあると考えるとわかりやすいでしょう。
Q. AIが作った文章はそのまま公開できますか?
公開できますが、内容の正確性や著作権などを確認したうえで利用することが重要です。
Q. 無料版でも業務利用できますか?
無料版でも利用できるサービスはありますが、企業利用ではセキュリティや利用規約を確認し、有料プランの利用を検討することをおすすめします。
Q. 企業で利用する際にセキュリティは大丈夫ですか?
企業向けプランではセキュリティ機能が強化されているサービスもあります。社内ルールに沿って利用しましょう。
Q. 生成AIに社内情報を入力しても大丈夫ですか?
一律に「入力しても問題ない」とは言えません。サービスや契約プラン、設定、自社のセキュリティポリシーによって判断する必要があります。 企業で利用する場合は、自社で許可されているサービスと入力可能な情報の範囲を確認しましょう。
Q.生成AIとAIエージェントは何が違いますか?
生成AIは、人の指示に応じて文章や画像などを生成することを得意としています。 一方、AIエージェントは、与えられた目的に応じて必要な作業を判断し、ツールなどを利用しながら複数のタスクを進める仕組みです。
生成AIは、文章作成や情報整理、アイデア出しなど、幅広い業務を支援し、生産性向上に役立つ技術です。一方で、回答内容の確認や入力情報の管理など、安全に活用するためのルールづくりも欠かせません。まずはメール作成や議事録作成など、身近な業務から取り入れ、自社に合った活用方法を見つけていきましょう。
生成AIの具体的な活用事例やプロンプトの書き方、企業への導入方法については、関連記事で詳しく解説していきます。一連のAI解説コラムが、生成AIを理解し、業務で活用するための第一歩となれば幸いです。
また、「導入したいが何から始めればよいかわからない」「自社に合った活用方法を相談したい」という場合は、専門家の支援を活用することも有効です。
当社の「e-coLLabo AI」では、生成AIの導入支援から利用ルールの策定、研修、業務への定着まで一貫してサポートしています。
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